いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入担当、野瀬でございます。

随分ご無沙汰しておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?

まだまだ夏のなごりを感じますが、同時に秋の訪れを予感させる日も増えてきましたね。

そこで!お出掛けベストシーズンの秋に向けて、道明さんに仕入れに行ってまいりましたので、秋の新商品をご紹介します!

1年程前にも本ブログでご紹介しましたが、初めて本ブログに足を運んでくださる方のためにも、もう一度簡単に道明さんをご紹介させてください。

有職組紐 道明さんは、1652年に上野池之幡で糸商として創業以来、約370年もの間、長きに亘って暖簾を守り続けてきた組紐の老舗メーカーです。

道明さんの組紐は、糸染めから組みまで一貫して手作業のみで行われていることで有名です。

明治維新後に訪れたものづくりの機械化による量産という時代の流れに逆らって、中6代目の道明新兵衛氏は職人による手仕事を貫き通し、令和の現在まで受け継がれています。

道明さんの組紐の特徴の一つである、日本らしい和の風合いを意識した深みのある美しいお色は、職人の知識をもとにたった7色の染料を組み合わせて作り上げられるそうです。

職人の豊かな経験に裏打ちされた手仕事による組紐の伸縮性と風合いから出る温かさや締め心地は、機械生産の組紐に比べると格段に違います。

道明さんの糸染めや組みの詳細については、弊社運営の着物に関する情報発信Webサイト『きものと』にて、特集しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。(特集記事はこちら

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それでは、お待ちかねの・・秋カラ―満載!最旬の道明 組紐を一挙ご覧に入れたいと思います!

こちら(↑)は、唐組といって、飛鳥時代より日本に残る組み方の一種で、高貴な人にしか使用することを許されなかった時代もあり、優美な気品の高い組紐です。

特に、幡垂飾(ばんすいしょく)は、法隆寺献納宝物の中に幡垂飾の名で呼ばれる飛鳥時代の金銅装唐組幡垂飾が数多く残されており、その柄をこの組紐に鮮やかな色彩で表現されているそうです。

こちら(↑)は、御岳組といって、武州御岳神社にある赤糸威の鎧に使われていた紐の組方から御岳組と名付けられました。

中でも、五舞鸞(ごぶらん)は、絵模様を織りだしたヨーロッパのタピスリー(ゴブラン織り)の雰囲気を表現して織られており、他の組紐とは一味違った系統の異なる雰囲気を醸し出しています。

こちら(↑)は、亀甲組といって、平安時代に完成し、太刀の緒、鎧の繰締めの緒に使われていた歴史の古い組紐です。

亀甲文様は延命長寿の瑞祥思想と結びつき、吉祥文様の中でも定番として古くから愛されており、縁起の良い組紐となっております。普段着だけでなく華やかな装いにもお使いいただけます。

こちら(↑)は、冠組といって、武官の冠に使われていたといわれている紐で、伸縮性に優れた締め心地の良い帯締です。

特に、波の緒は、二色の大暈し(おおぼかし)を組み合わせて上品な華やかさが表現されています。金糸もあしらわれているので、普段着だけでなく正装まで幅広くお使いいただけます。

こちら(↑)は、高麗組といって、古くから刀の下緒などに多く用いられていた、染め・組み共に高い技術を要する組紐です。

美しい彩色としっかりとした組み方で、帯締めとしても大変使いやすく、上品な装いにも大活躍間違いなしの組紐となっております。

こちら(↑)は、奈良組といって、奈良時代の組紐の遺品にこの組み方が沢山残っていることから、奈良組と名付けられました。

奈良の正倉院に残されている数々の宝物の組紐類では奈良組が多く、刀子・魚形・鏡・楽器など様々なものに付帯しているそうです。

正装からお洒落着まで様々なシーンに合わせやすい定番の組紐ですので、今回は秋らしい暖色系やくすみカラーから紫や青系統まで幅広いお色を取り揃えました。

こちら(↑)は、笹浪組といって、水面に漣(さざなみ)がたっているような組目ができるところから、笹浪組といいます。

幾何学模様のようにも見える細かな組目が繊細で美しく、コレクションとして手元に持っているだけでも楽しめそうな素敵な組紐ですね。

こちら(↑)は、変り厳島組といって、平清盛が一門の繁栄を祈り、厳島神社に奉納した三十三巻の経巻、この装飾経として有名な平家納経についている複雑な組織の組紐(厳島組)を応用して組まれた組紐です。

もちろん秋の装いにもお使いいただけますが、薄手の帯締めのため、夏の装いにもお勧めだそうです。

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いずれの商品も公式オンラインストアでお買い求めいただけますが、実物をご覧になりたい方は、お近くの店舗・展示会までお問合せくださいませ。

帯締は、同じお着物でも帯締次第で季節感や世代に合った雰囲気を表現することができる、いわば着姿の中心にくる重要な存在です。

お着物のスタイリングがワンパターン化しているなぁと感じていらっしゃる方は、是非!秋カラ―の帯締を買い足されてみてはいかがでしょうか!

ちょっとした小物で全体の印象がガラリと変わるお衣装というのも、世界中どこを探してもお着物以外になかなかないように思います、本当に和装は奥深い世界ですね。

それでは、今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

夏の疲れが出やすい時期ですので、くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛くださいませ。

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