琉球染織仕入れの旅② ~後編~

野瀬 達朗

野瀬

達朗

琉球染織仕入れの旅② ~後編~

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入を担当しております、野瀬でございます。

随分ご無沙汰してしまいましたが、皆様お元気でしたか?

暑い夏があっという間に過ぎ去り、ぐっと過ごしやすい日が増えて秋めいてきたので、外出するにも足取りが軽い毎日ですね!

 

さて、お待たせしてしまいましたが、前回に引き続き琉球染織仕入れの旅の後編をお送りします。

まず最初にご紹介するのは、沖縄市知花で、国の伝統的工芸品に指定されている知花花織(ちばなはなおり)を制作される金良美香さんです。

花織は緯糸を浮かして柄を表現しますが、知花花織は経糸を浮かして柄を表現するので、生地全体に立体感が生まれ、柄がより際立つことによって、表情豊かでドレッシーな雰囲気の作品に仕上がります。

琉球王朝時代に税金として納められていた織布が多かった中で、知花花織は徴税対象ではなかったこともあり、自由な意匠でつくることができたといわれ、祭事などの衣装として人々に愛されてきたそうです。

その「デザインの自由度」は現代にもしっかりと受け継がれ、個性豊かで斬新な柄が知花花織の最大の魅力といえます。

そんな知花花織においては柄のデザインが作品の要となりますが、金良さんは柄のデザインにおいて抜群にセンスが良く、人気が高いのです!

今回も4点ほどオーダーしてきましたが、制作には1年以上かかるかもしれません…!!ご興味をもってくださった方は、是非気長にお待ちくださいませ!

 

さて、次にご紹介するのは、首里織の第一人者として有名で、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された宮平初子氏(故人)の元で修行され独立された和宇慶むつみさんです。

和宇慶さんは、お弟子さんをもたず、ご自宅にて糸の染色から織りに至るまでご自身の手で作品づくりに励まれています。

草木染を基本とされているのですが、作品づくりに情熱を一心に注ぎつづけてきた研究熱心な和宇慶さんは色の魔術師とでも言いましょうか、草木染だけで何種類もの色をつくりだします。

このように(↑)和宇慶さんの手にかかれば、一言に「黄色」といってもこんなに多様な色味を表現できるのです!すごい技術だと思いませんか?

今回見せていただいた作品の中でも、特に目を引いたのがこちら(↑)の作品です。

こちらは花倉織といわれ、絽織と両面浮き花織を組み合せた非常に難しい織り方で、沖縄の織物の中では最も格式が高く、琉球王朝では王妃や王女が夏物として愛用していたそうです。

こちらも少しずつ色味の異なる赤い糸をたくさん使用して、繊細な柄が緻密に表現されており、思わず溜息が出てしまうような美しさでした。

 

さて、次に訪れたのは、「紅型」の分野で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された玉那覇有公さんの工房です。

玉那覇さんは、元々鉄工所で働いていたところ、紅型三宗家の一家「城間家」14代の城間栄喜氏の一人娘である道子さんと出会って結婚し、義父の工房に入り琉球紅型を学びはじめたそうです。

図案から型紙彫りを極め、すべての工程に精通し、やがて妻の道子さんと工房を開設し、夫婦二人三脚で作品づくりに励んでこられました。

今回、玉那覇さんの工房で昔の作品をいくつか拝見して、玉那覇さんが人間国宝に指定された頃に制作された作品を復刻版として再制作いただけないか相談してみました!

なんと・・・快くご承諾いただき、こちら(↓)を復刻してくださるそうです!!私自身もとても楽しみで、実際にこの手で触れられる日が待ち遠しいです!

玉那覇さんの工房では復刻版以外にも、帯5本ほど発注してまいりました。

ご興味がございましたら、お近くの店舗・展示会までお問い合わせください。

 

最後にご紹介するのは、紅型の巨匠として有名で沖縄県指定無形文化財保持者にも認定されている宮城里子氏に師事した後、ご自身で紅型づくりに励まれている新進気鋭の紅型作家である深沢さやかさんです。

深沢さんがつくる作品は、女性らしさの漂う優しく柔らかな織物が多く、フェミニンな装いがお好きな方には是非一度お手に取ってみていただきたい作家さんの一人です。

どちらの作品も、紅型独特の大胆で鮮やかな配色を意識しつつも、より日常使いしやすい優しい色使いでシックな大人の女性を演出してくれそうな、素敵な作品ですね。

京都きもの市場としても、今注目しているイチオシの作家さんですので、皆様ご興味がございましたら、是非お近くの店舗・展示会までお問い合わせくださいませ!

 

それでは、今回の琉球染織仕入れの旅にも最後までお付き合いいただきありがとうございました。

残暑も残りわずかとなりました。夏の疲れで体調を崩されないないようお気をつけてお過ごしください。

京都きもの市場
野瀬達朗

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