西陣証紙を知っていますか?

実店舗「京都店」 吉川佑弥

実店舗「京都店」

吉川佑弥

西陣証紙を知っていますか?

いつも京都きもの市場のスタッフブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都店の吉川でございます、よろしくお願いいたします!

春の訪れを感じる暖かな日が多くなり気分も晴れやかな毎日ですが、皆様はいかがですか?

本日は、なんとなく知っているけれど、改めて詳しく理解しておきたいと思っていたことについて勉強したので、皆様と共有させていただきたいと思います!

それは・・・西陣証紙です!!!

たしかに詳しくは知らないわ。と思われた方、是非本ブログをご参考にしていただけましたら幸いです!

そんなことも知らないの?と思われた方、不勉強ですいません!今回しっかり勉強させていただきました!

 

西陣証紙とは

さて、西陣証紙とはなんぞや?というところからですが、ずばり!こんな(↓)見た目をしています。

西陣帯を購入されたことがある方は、貼ってあるのを実際にご覧になったこともあるかもしれません。

このメガネの形をした紙こそ西陣証紙といわれ、西陣織工業組合が発行している「西陣のデザインと技が作りあげた西陣製品である」ことを証明する証です。

生産者の責任を明確にし、生産者番号や帯地の種類を表示することで、消費者の皆様にいっそう安心してお買い求めいただけるようにしているそうです。

この証紙制度は、1953年(昭和28年)に始まり、最初の組合加盟社はわずか38社でしたが、現在は2500社あまりが登録されています。

廃業したり、組合を脱退した機屋さんの番号は廃盤となるそうで、現在も機織りをされている機屋さんが登録されている生きた番号は300程度に減ってしまったとか。悲しいですね・・・

 

西陣証紙の種類

西陣証紙には、帯の種類によって4種類に分けられています。

※ご紹介する各証紙の実物のお写真は、西陣織工業組合のHPよりご覧ください。

先に掲載したお写真の証紙は、名古屋帯・袋名古屋帯・小袋帯などに貼付される袋帯用証紙です。

ゴールドの証紙に、赤字で中央に「袋帯」と明記されています。皆様も一番目にする機会が多い証紙ではないでしょうか。

この他に、京袋帯だけに貼付される袋帯用証紙、爪掻本綴帯(つめかけほんつづれおび)だけに貼付される爪掻本綴帯用証紙、黒共帯(喪服に用いる黒喪帯)だけに貼付される黒共帯用証紙の3種類がございます。

※各証紙の実物のお写真は、西陣織工業組合のHPよりご覧ください。

京袋帯とは、ジャンルとしては名古屋帯の仲間ですが、仕立て方が異なります。表地と裏地を縫い合わせ、帯芯を入れた仕立てで、端から端まで同じ幅で、形は袋帯と同じですが、二重太鼓ができない長さとなっています。

グリーンの証紙に、黒字で中央に「京袋帯」と明記されています。

爪掻本綴織とは、手の爪をギザギザのノコギリ状にカットして、爪で緯糸を掻き寄せて織り込んでいく伝統技法で、高度な技術を要し、中でも西陣爪掻本綴織は格式が高いとされ、名古屋帯仕立てであっても準礼装として使用できます。

黒の証紙に、ゴールドで中央に「爪掻本綴」と明記されています。重厚感があってカッコいいので個人的に好きな証紙です!

黒共帯の証紙は、袋帯証紙と同じゴールドに赤字のデザインなので見分けづらいですが、真ん中に記載されている「黒共帯」で判別可能です。

 

西陣証紙番号の見方

メガネ型の証紙の右丸の下に記載されている番号が、西陣証紙番号と呼ばれるものです。

西陣証紙番号は、先にもお話しました通り、機屋の登録番号で、番号からどの機屋さんの帯であるかを判別できる仕組みになっています。

例えば、こちら(↑)の証紙の番号は、2505なので華翔苑さんの帯だということが分かります。

記載されている証紙番号がどの機屋さんのものかを知りたいときは、西陣織工業組合のHPで検索することができます。(検索ページはこちら

 

いかがでしたでしょうか?皆様はすべてご存じでしたでしょうか?

私自身、毎日目にしている西陣証紙番号について、ぼんやり知っていたことも詳しく学びなおすことで、西陣帯への理解が深まり、非常に勉強になりました!

西陣織工業組合のHPによりますと、昨今、国外で西陣帯風に生産された帯が国内で販売され、原産国を表示せず、あたかも西陣帯のようにして販売されているケースや、西陣帯に証紙を貼付せずに出荷・販売しているケースもあるそうです。

証紙があれば、西陣帯の品質が担保されていることが一目瞭然で安心ですし、生産者を特定することができますので、十分なアフターサービスも受けることができます。

西陣帯をご購入される際は、必ず今回ご紹介した証紙をチェックしてください!

また、お仕立て時や購入時に捨ててしまったという方は、次回からは残布とともに大切に保管してくだい!

 

西陣帯のご購入を検討されている方は、是非、京都きもの市場 京都店にご相談にいらしてください。

皆様に店頭でお会いできることを楽しみにお待ち申し上げております。

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