ラオス織物工房めぐりの旅 中編

野瀬 達朗

商品仕入

野瀬達朗

ラオス織物工房めぐりの旅 中編

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入担当、野瀬でございます。

少しづつ日脚が伸びて暖かい日も増え、春が待ち遠しい時期になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

お待たせいたしました、前回に引き続き、今回もラオス旅行記をお送りします!

 

3日目の朝も素晴らしいお天気に恵まれ、足取り軽く首都ビエンチャン市内のとある工房を訪ねました。

今回の旅の目的はラオスでの商品制作と前回お話しましたが、こちらの工房では帯制作を依頼します。

技術力だけでなく、ものづくりに対する考え方が日本人のように繊細なので、今回のオリジナル帯の制作依頼にも非常に安心感のある工房さんです。

花織だけでなく刺繍も対応可能とのことで、せっかくなので花織と刺繍を組み合わせた帯を試作していただくことにしました。

工房で見つけた古布や花織の布などから使えそうな柄を選定し、柄の配置を決めて、必要に応じて配色指示もします。

試作品がどのように出来上がってくるか、私自身も非常に楽しみです。進捗がございましたら、またブログでご紹介させていただきます!

試作品の制作依頼が一段落したところで、草木染めの工房も見学させていただきました。

自然豊かなラオスは、辺りを見渡せば目に入る植物は無数にあります。当然、草木染めに用いられる植物の種類も多岐にわたり、日本の草木染めとはまた違った表情を見せてくれます。

草木染めに使用される植物が陳列されていましたが、マンゴスチンアナトーなどラオスならではの植物から、日本でもお馴染みの植物まで顔ぶれは様々です。

ラオスの花織は、柄も織り方も沖縄の首里織や与那国織に非常に類似しており、藍染も沖縄と同じ工程でつくられています。

琉球王朝で発展した花織は、南アジアをルーツとする技術が中国や東南アジア経由で伝わったというのですから、当然かもしれません。

日本から海を挟んで遠く離れたこの地で、花織が琉球王朝に伝わるまでの軌跡にほんの少し触れたようで、言葉に表すことのできない感動がありました!

 

素晴らしい工房見学をさせていただいた翌日は、なんとラオスの日本大使館でのお食事会にご招待いただきました!

お食事をご一緒させていただいた方の中には、京都きもの市場のオンラインストアでお買い上げいただいたことがある方もいらっしゃいました。本当に嬉しい限りです・・・!

残念ながら食事会のお写真は掲載することができないのですが、皆さん素晴らしい方々で、楽しい時間を過ごすことができました。

 

5日目の朝は、首都ビエンチャンから700kmほど北に位置するウドサムイという街まで飛行機で行ってまいりました。

ウドサムイでは何種類もの部族が共に暮らしていますが、中でもカム族という山の中の村に住む民族を訪ねました。

お米や野菜を栽培し、森や川での狩猟採集をして生活するカム族が、葛や科の木から糸をつくると聞いたので見学させていただきました。

糸の取り出し方は日本と概ね同じでしたが、木灰汁で煮るという工程が日本にはありますが、こちらでは行っていませんでした。

裂いた糸は日本の自然布より太く平たいため、宮古上布と同様、撚り合わせて紡いでいきます。

皆さん、とても器用で慣れた手つきで作業されていて、長年の経験と技術を垣間見ることができました。

緑豊かなこの村に流れる穏やかな空気に後ろ髪を引かれながら、5日目の見学は終了です。

笑顔で優しく歓迎してくださったカム族の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです!貴重な経験をありがとうございました。

さて、長くなってしまいましたので、今回もこのへんにして続きは次回のブログでご紹介したいと思います。

今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

日中は暖かい日もでてきましたが、朝晩はまだまだ冷え込みますので、くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしください。

京都きもの市場
野瀬達朗

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