ラオス織物工房めぐりの旅 前編

野瀬 達朗

商品仕入

野瀬達朗

ラオス織物工房めぐりの旅 前編

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入担当、野瀬でございます。

日本列島が10年に一度の大寒波に見舞われ、京都市内でも雪が積もりましたが、皆様はご無事でしょうか。

前回のブログで少しお話しましたが、12月にラオスへ商品制作に行ってまいりましたので、ラオス旅行記をじっくりと数回に分けてお届けしたいと思います。お楽しみいただければ幸いです!

 

ラオスには日本からの直行便がないため、ベトナムやカンボジアを経由してようやく到着したのが、自宅を出てから約12時間後!なかなか長い旅路でした。

ラオスの首都ビエンチャン空港は日本のODA資金で一部建設されているようで、空港に両国の友好関係を記念した碑が設置されていました。

ラオスが伝統的な親日国であることは有名ですが、現地の人々の親切で温かなおもてなしや対応に触れてみると、親日の浸透度をまざまざと実感させられ、嬉しくなります。

ところで、皆様はラオスがどんな国かご存じですか?どんなイメージをお持ちですか?

ラオスは、インドシナ半島に位置し、タイ・ベトナム・カンボジアなどに囲まれた海のない内陸国で、実は日本の本州と同じくらいの面積があります。

豊かな自然と資源に恵まれているラオスですが、現在も少数民族や山岳民族が数多く暮らしていることもあり、近年までほぼ鎖国状態にあったため古くからの伝統を受け継いだ染織文化が今も色濃く残っています。

このラオスの織物は「ラオ・テキスタイル」として世界的評価も非常に高く、天然染料で染められる絹糸による緻密な縫い取り織りなど、日本の織物とはまた違った味わいがあります。

また、民族ごとに異なる生活様式と文化をもっているため、民族ごとのテキスタイルの違いも楽しみの一つです。

今回は、このラオ・テキスタイルを皆様のお手元にもお届けしたいと思い、仕入れのためにラオス各地の工房を訪ねることになりました。

腹が減っては戦はできぬ!ということで、まずは腹ごしらえに毎晩のように夜店が立ち並ぶナイトマーケットにやってきました。

ラオス料理は、隣国のタイや中国などの刺激的な味覚の影響を多分に受けていますが、かつてフランス領だったこともあり、世界三大美食に数えられるフランス料理のエッセンスが加わり、刺激的すぎず万人に受け入れられやすい味付けに変化し、日本人の口に合うとも言われています。

とはいえ、先にお話した通り、長い鎖国状態で今もなお古い伝統が色濃く残っているラオス、食文化も例外ではなく、鹿・トカゲ・ジャコウネコといった野生動物や昆虫をたんぱく源として食べる習慣があり、夜店でワニ肉が販売されているのも見かけました!

立派な太い骨が飛び出たまま焼かれており、なかなかの画力に一瞬後ずさりしますが、せっかくなのでいただいてみました。

ゴムのように硬いのかな?と想像していましたが、なんと鶏肉のような食感で意外と美味しかったんです!!ラオスを訪れることがあれば、是非一度ワニをお試しください!

さて、お腹がワニでいっぱいに満たされたところで、首都ビエンチャンから700kmほど南に位置するパクセーへ飛びました。

パクセーは、ラオス王国誕生以前にあったチャンパーサック王国の首都で、現在も人口約10万人を誇るラオス第二の都市です。

2001年に世界遺産に登録された「ワット・プー」の観光拠点として賑わい、古くから貿易も非常に盛んな都市でもあるため、活気に満ち溢れています。

このパクセーで、京都きもの市場でも以前販売させていただいたことのある葛布(くずふ)の帯を織られている工房を訪ねました。

工房に足を踏み入れると、ラオス人らしい優しく穏やかな笑顔で織手さんが出迎えてくださいました。

工房内は清潔感たっぷりの小綺麗な作業場で、織手さんが手掛けている織物のクオリティも確かなものでした。

天然染料が織り成すあたたかな生成り色と豊かで味わい深い風合いが素朴な織物で素敵だったので、京都きもの市場で販売できないかと思い、いくつか色を指定して試作いただくことになりました!販売が実現した暁には、また皆様にご案内いたします!

パクセーの織物工房を後にして、次に訪れたのはラオス最南端、カンボジアとの国境に接するメコン川に浮かぶ小さな島です。

このような島はメコン川に沢山点在しており、お米を作ったり、鶏などの家畜を飼育したり、メコン川の魚を捕ったりしながら、昔ながらの生活をする人々も多いそうです。

島ではシンと呼ばれる巻きスカートのようなラオス女性の民族衣装を織る人々もいると聞き、シンの織手さんの生活を見学しにやってきました。

このシンは、普段着としてはもちろん、結婚式など特別な日にも着れて、現在では学校や企業の制服としても採用されているそうで、ラオスの人々の生活に欠かせない文化の一つです。

実際に見学させていただくと、各家々で女性が手織りされており、男性はメコン川で漁と農業をされていて、とてもゆったりとした穏やかな時間が流れていました。もしかしたら昔の日本もこんな感じだったのでしょうか。

 

さて、長くなってしまいましたので、今回はこのへんにして続きは次回のブログでご紹介したいと思います。

次回以降は、今回よりも沢山工房見学の様子をお届けしますので、是非また読みにいらしてください。

今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

厳しい寒さが続いておりますので、くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

京都きもの市場
野瀬達朗

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