3年ぶりの開催!沖縄の工芸展に行ってきました

野瀬 達朗

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達朗

3年ぶりの開催!沖縄の工芸展に行ってきました

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入を担当しております、野瀬でございます。

すっかり秋が深まり、ずいぶんと肌寒くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

少し前のお話ですが、3年ぶりの開催となった沖縄の工芸展の東京開催に行ってまいりましたので、今回はそのときの様子をご紹介したいと思います。

 

沖縄には、琉球王国時代に中国や東南アジアなどの国々から影響を受けた、本土とは違った独自の伝統工芸品が数多く存在します。

2022年現在で経済産業省が指定する「伝統工芸品」には、首里織、琉球紅型、琉球絣など16品目が指定されており、その品目数は全国で3番目に数えられます。ちなみに、1位は東京で18品目、2位が京都で17品目だそうです。(出典:伝統的工芸品指定品目一覧 都道府県別 令和4年3月18日時点)

伝統工芸品は高価で一般的な店舗では販売されていないものも数多くありますが、この展示会では、職人から直接お話しを聞きながら作品に触れて、購入することができるのが魅力の一つです。

織物や染物などの和装関連作品だけでなく、漆器、陶器、三線など沖縄の工芸品の数々が集結するので、とても贅沢なイベントとなっています。

出展者である沖縄県内の組合関係者の皆さんも「沖縄の顔ともいえる名品がこのように揃うことはなかなかない」と、おっしゃるほどです!

紅型染め体験や沖縄の染織物を紹介するツアーなどもあり、展示だけでなく様々な楽しみ方ができるので、今年の開催は終わってしまいましたが、来年以降、皆様も機会がございましたら是非足を運んでみてください。

 

今回、こちらの工芸展で皆様にお届けする商品を買い付けたいと思って足を運んだのですが、3年ぶりの開催ともあって、会場内は多くの人で賑わい、ほぼ売り切れ状態になってしまったため、少ししか仕入れることは出来ませんでしたが、オリジナル商品など作っていただける話も出来たので、また展示会等でご紹介させて頂きます!

来年以降の開催に足を運んでみようかな?とお考えの皆様に、染織物の展示を少しご紹介したいと思います。

 

八重山上布(やえやまじょうふ)

八重山上布は、沖縄県八重山郡周辺の麻の織物で、苧麻(ちょま)という植物から手紡ぎでつくられる糸を緯糸に使って織られ、古くは琉球王朝時代に貢布として利用されていました。

沖縄の織物の中で、唯一「刷込捺染技法」(すりこみなっせんぎほう)を用いて作られる織物です。

さわやかな白地に絣模様が浮かび上がり清涼感たっぷりの八重山上布は、主に夏用の着物として用いられます。

こちらのように白地が少ない模様でも、苧麻から紡がれる糸特有の柔らかく涼しげな風合いが夏のお召し物にぴったりです。

 

宮古上布(みやこじょうふ)

宮古上布は、沖縄県宮古島でつくられている麻の織物で、八重山上布と同じように苧麻から紡がれる糸で経緯ともに織られています。

緻密で繊細な絣模様と光沢のある艶やかな風合いが特徴的で、苧麻の繊維を一本一本裂いて作った細い糸が通気性を高め、暑い沖縄の気候でも軽やかに着用できます。

細い糸で織られるとはいっても、「宮古上布は三代物」といわれるほど丈夫で長持ちするのも、宮古上布が古くから愛されつづける理由の一つです。

こちらの展示では、職人さんがご自身で育てた苧麻の繊維を一本一本手で裂いて、繋ぎ合わせて糸をつくっていく作業を間近で見ることができました!

長さは30キロメートルにもなるそうですが、30キロメートルもの繊維を手で紡いでいくと考えると、とんでもなく気が遠くなる大変な作業ですよね。宮古上布から溢れ出るあたたかみは、職人さんによる丁寧な手作業の賜物なのです。

 

久米島紬(くめじまつむぎ)

久米島紬は、沖縄県久米島町でつくられている織物で、素朴な風合いと独特の深い色が特徴です。

久米島紬の制作には、図案の選定、染色の原料の採取、糸の染め付け、製織のすべての工程を1人の織子が手作業で行うため、一つ一つの作品に手間と時間がかけられている貴重な逸品です。

糸の染め付けは、島内に自生している植物を使った草木染めや泥染めが用いられるため、沖縄本島や本土とは少し違った、久米島特有の色合いを楽しむことができます。

 

喜如嘉の芭蕉布(きじょかのばしょうふ)

喜如嘉の芭蕉布は、沖縄県大宜味村(おおぎみそん)喜如嘉でつくられている織物で、芭蕉と呼ばれる大きな植物を約3年かけて育てて繊維を裂いて紡いでつくった糸で織られますが、なんと着物で約250本、帯で約50本の木が必要となります。

風通しのよいサラリとした生地が特徴的な芭蕉布は、薄く張りがあることから「トンボの羽」とも形容され、汗で体にまとわりつくことも少なく、湿気が多い沖縄で重宝されてきました。

こちらの深みのある群青色でも、落ち着いた渋みの中に清涼感も漂い、不思議と暑苦しさを感じさせない風合いで、購入できないと分かっていても思わず手が伸びてしまいました。

 

他にも、読谷山花織(よみたんざんはなおり南風原花織(はえばるはなおり)知花花織から与那国織まで多様な展示が楽しめ、豪華な顔ぶれを一挙に見比べることが出来る貴重な時間に、終始大興奮でした!

多種多様な作品に触れて学び楽しむだけでも大変価値があるので、来年も無事開催された暁には皆様も足を運んでみてください。

紅葉が美しい時期もすぐそこまできています、是非お着物をお召しになって深まる秋を満喫してください!

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野瀬達朗

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