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京都きもの市場の商品仕入を担当しております、野瀬でございます。
春の花が咲き乱れ、暖かい日差しが心地よい季節になりましたね!皆様はいかがお過ごしでしょうか?
爽やかな春風とともに、どこからともなく聞こえてくる鳥のさえずりに、私の足取りは毎日軽やかです!
さて、今回は春をより一層華やかに彩ってくれる琉球紅型の仕入に沖縄に行ってまいりましたので、仕入の様子などを皆様にご紹介いたします。
沖縄を訪れた一番の目的は、城間栄順先生の米寿記念「紅(いろ)の衣」展に行くことでした。
城間栄順先生は、琉球王朝時代から続く紅型の三大宗家である城間家に生まれ、お父上から受け継いだ琉球紅型を工芸品として魅せる「作品」から、着て楽しむ「着物」に昇華させ、今では着物愛好家に広く親しまれ、愛されるようになりました。
琉球紅型の中でも、海をこよなく愛する城間先生の作品は「沖縄の海」をテーマにしたデザインが中心で、沖縄の海に棲息する生き物が生き生きと描かれていたり、躍動感のある作風が特徴です。
※城間先生についてご関心がございましたら、こちらでより詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください!
城間先生(↑)と一緒に、一枚お写真を撮らせていただきました。本当に気さくで素敵な方なんです・・・!
今回は仕入のために「紅の衣」展の初日に足を運びました。展示会は沖縄以外に京都や東京でも開催されるのですが、那覇市で開催される初日に足を運んだのは、展示会に並ぶ商品の中で一番良い作品を買い付けたかったからなのです!
狙い通り、とっても素敵な作品の数々に出会うことができたので、店頭に並ぶ予定の新作を少しご紹介します。
こちら(↑)は、訪問着「花涛(はななみ)」です。
城間先生が20年ほど前に作成した図案をもとに制作された作品で、非常に手の込んだ複雑な工程を踏んでつくられるそうです。
模様のデザインは、真夏の引き潮の浜辺にインスパイアされたそうで、干上がったサンゴ礁や海草に、黒潮の冷たい海水が入って来て、息を吹き返したように見える様子を連想し、作品となりました。
こちら(↑)は、きもの地「彩潮(あやしお)」です。
サンゴ礁の割れ目で楽しそうに泳ぐ魚や貝たちを描いた爽やかな色合いの一枚。「福を呼ぶ」という意味で作品にフグを使われることが多いそうで、この作品にも小さなフグが沢山描かれており、とても縁起が良いですね!
こちら(↑)は、訪問着「よろけ紋にフグ」です。
パッと鮮やかなコバルトブルーに、沖縄の海風を全身に感じられるような爽やかな色彩が見事な一枚。
このように(↑)、よく見ると、躍動感たっぷりの海藻に隠れて、沢山の可愛らしいフグたちがプクプクと泡を出して息吹いている様子が描かれています。
遠くから一目見た時の爽やかでクールな印象と、近づいてよく見た時のエネルギッシュで可愛い印象のギャップがこの作品の魅力の一つですね。
こちら(↑)は、帯地「イソギンチャクにくまのみ」です。
ゆらゆらと揺れるイソギンチャクを棲家とするクマノミが生き生きと泳いでいる様子が描かれた、なんとも可愛らしく華やかな一枚です。
相性の良い紫色と山吹色を中心に、こっくり深めのくすみカラーでまとめた大人な色づかいには脱帽です。同じようなくすみカラーのお着物にこちらを差し込むだけで、一気にぐっとオシャレ度が上がりそうですね。
こちら(↑)は、名古屋帯「テーブルサンゴにブダイ」です。
年に一度だけ大潮になると陸地のように浮上することから「幻の島」と言われる、サンゴ礁郡・八重干瀬(やえびし)が宮古島の北側にあるそうです。この帯は、その八重干瀬をテーマにつくられた作品で、そのサンゴ礁の割れ目で楽しそうに泳ぐイラブチャ―(ブダイ)が描かれています。
こっくり深めの原色を中心に多彩な色を存分に用いて描かれる南の海の模様は、琉球紅型らしく、それでいてどこか大人な雰囲気を醸し出す、魅力的な帯に仕上がっていてとってもオシャレです。
城間先生の作品は、通常においても素晴らしい作品ばかりですが、今回の米寿記念の作品は特に力がこもった作品ばかりですので、是非一度お店に見に来て下さい!
ご紹介した商品はすべて京都きもの市場で販売しておりますので、ご興味がございましたらお近くの店舗・展示会までお問い合わせください。
長くなりましたので、本日はこのへんにして続きは次回のブログでご紹介したいと思います。
後編では、沖縄で訪れた琉球花織や琉球絣などの工房さんと仕入れた新作をご紹介いたしますので、お楽しみに!!
今回も最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
新年度の行事が多くご多忙かと存じます、くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしくださいませ。
京都きもの市場
野瀬達朗

野瀬 達朗

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