コーディネートのお勉強会「誰でもできる簡単礼装コーデ」

皆さまいかがお過ごしでしょうか。
世間では流行り病の話ばかりで、気が滅入るところでございますが、
それに負けぬよう、少しでも明るい未来を考えられる時間が増えることを切に願う今日この頃です。
(本当に早く収まるといいですね…)


(↑ 貴久樹の常設展示の店内風景です。月替わりのテーマに沿ったお品をご覧いただけます。)

時節も年度替わりを迎えます。
本来なら礼装のお着物をご着用の機会が増える時期だと思いますが、
学校によっては卒業式の簡略化や中止・延期のところもあると聴いております。
礼装の着物好きの当方にとっては、残念で仕方ないのですが、致し方ない部分もあると思います。

そんなことを考えているなか、自分の礼装コーデの基本的な選び方の基準とは…と、
不意に思い考えてしまったので、久しぶりにブログを更新してみようと思い至った次第です。
(大変ありがたいことに、複数のお客さまから「書かないの?」とも仰っていただきまして…)

ご来店のお客さまにはお話しすることがございますが、
自分自身でもどういう風に選んでいるのか分からない…というのが本音でございます。
以前のブログにも書かせていただいていたのですが、お越しいただいたお客さまの、
ご雰囲気やお顔映りをベースにして、ご要望に沿ったお着物や帯として、
自身がイメージしたものをご紹介・ご案内させていただく…そんな感じなのです。
フィーリングで選んでしまっているので自身が深く掘り下げていなかった部分でもあります。
そこをちょっと手前勝手な理屈っぽい感じでいってみました。
(文章が多くなると辟易されるかも知れませんがどうぞご容赦くださいませ。)

当方がご案内している礼装コーデは簡単で、どなたでもできると思います。
(紹介すると小っ恥ずかしいのですが「その程度か!」って感じですよ本当に…)

お顔映りは人それぞれでございますので、
その部分ではなく着物と帯、そして小物の選び方をご紹介します。
(多分、そんなに間違ってないと思うので、ひとつの選択肢としていただければ幸いです。)


↑ きものは工芸染匠成謙の京友禅付け下げ、帯は河合美術織物の西陣織袋帯。


↑ きものは、同じく。帯は都の西陣織袋帯。

まずはじめに考えを巡らせるのはお着物の色。地色、柄の色、挿し色。
ご紹介のコーデから拾い上げていきます。目に留まるお色は…

地色の【水色】、花唐草の柄の【白】、桐の柄の【緑】、
雪輪の柄の【金】、挿し色の【朱赤】と【紫】

パッとみるとその辺りかと思います。
そこから「3色」を選んでそれをコーデの基本色とします。
選ぶ色としては地色は確定です。そこから後「2色」。
(この辺で「色無地はどうするんだ!」との声も上がってきそうですが、それはまた追々…)

当方の礼装コーデはその「3色」を基本としています。
洋装でもあると思うのですが「3色コーデ」ですね。

「1色目」は【水色】に決まりました。では、残り「2色」はどうやって選べばよいのか?
そこははじめに決まった【水色】に依存します。
使われている分量の多いのも含めてですが、水色と相性が良い【白】を「2色目」として選びます。
【水色】と【白】の考え方は「相性がよい」との捉え方も正しいのですが、

(暗)【黒】>>>【水色】>>>【白】(明)

的な考え方もしてしまいます。
故に、書いてあれなのですが「2色コーデ」では?となりますが、
この場合【白】も色の1色と捉えて考えていきたいと思います。
(少々強引かも知れませんが…)

「3色目」でコーデは大きく変わります。

統一感を持たせる場合は「1色目」に近い色を選びます。
着物らしいコーデに寄せるときは「1色目」から遠い色を選びます。

まあこの辺りは好みですね。
今回は礼装のきものらしく古典でいきたいので「1色目」から遠い色で選びます。

「遠い色とは、何…?」となりそうですが、色相環をベースに反対色の【朱赤】を選びます。
(「色相環」…自身もたまに考える程度で、そんなに堅くしなくてよいのですが今回は理屈寄せで…)
【紫】を選んでもよかったのですが、使っている紫が色として重たい色(明度が低い)だったので、
地色の明るい【水色】から考えると明るめの【朱赤】を選んだ…という次第です。
(色相環的には【青】の反対色が【赤】。各々明度を上げ白に寄せ【水色】と【朱赤】の考えで…)

これで「3色」が出揃いました。

【水色】【白】【朱赤】

この「3色」が基本色となります。
(文章にすると長ったらしいのですが、選ぶのは簡単なんですよ…)

そして、ここから帯選びとなります。

昨今の礼装コーデの基本は「統一感」。ここ何年かの着物雑誌の紹介もその傾向が強いですね。
当方が、右も左もわからないときにご指南いただけた方に教えていただいた帯合わせの手法が、
統一感のある纏める方法でした。それがいまの自分の基礎を築いているんだろう…と感じます。
(その方には、いまでもとても感謝しております。今場を使って改めて御礼申し上げます。)

ちょっと脱線しましたが、元に戻ります。
1色目の【水色】にあわせる帯地の色は【白】もしくは【銀】というところです。
【白】は上記の通りですが【銀】は手前勝手な考え方ですが、

「水色」→「水」→「水面の煌き」→「キラキラ」→「銀」 >>> 《相性良し》

みたいな感じです。
選んだ色は【白】ベースの帯ですが【銀】としても捉えられる帯ですね。
「3色コーデ」なのでこれ以上、色が増えないように意識しています。
(もちろん多少の色が入るのはOKだと思います。土台の色としての「3色」とお考えください。)

さて、どちらも正解のコーデだと思うのですが、
今回は考え方のひとつとして松菱の柄の帯を選びます。
宝尽くしの帯でも…のところを、敢えてややこしい話を交えると、

「具象文様」と「具象文様」の組み合わせで纏める。

が、ひとつの要素です。多分「?」となることが多いと思います…
ただ、これに関しては表題を否定することとなるので、解説程度ですのでご参考までに…
こちらはお客様が仰られたことをきっかけに意識するようになった部分で、自身も日々勉強です。
その方は「時代背景が違う文様を合わせると少し違和感を感じる」と仰っておられました。
凄くきものに対して真摯な考え方をされる方だと思いましたし、素敵だなとも思いました。
深く考えることの大切さを示していただいたような気がします。

「雪輪文」は、雪の結晶を文様化したもので平安時代から使われていたと云われいる「具象文様」。
「松菱文」は、「幾何連続文様」より派生した「具象文様」の中間的なものだと認識しています。
(もうすでに自分でも何を言っているのかややこしくなりつつありますので、どうぞお気軽に…)
「宝尽くし文」は、分類として「吉祥文様」です。とても縁起の良いお柄で自身も大好きです。

その点から松菱の帯を選択することもできるのですが、これはきものの世界に明るい人間には、
通じることかも知れませんが、自身もこの仕事をしていなければ深くは考えなかった部分…
ですので、こちらは少し専門的な選び方のひとつです。

では何をもって選ぶのか…

大丈夫です、ここからは結構簡単…な筈です。

雪輪文を主体に考えると「丸み」を感じることができると思います。
花唐草の柄も「丸み」を感じさせる要素ですので、判別として「〇」のきものとします。
松菱の帯は、菱型の文様から「□」の帯とします。宝尽くしの帯は半円の暈しから「〇」の帯。

「〇」のきものと「□」の帯は相性が良い。逆もまた然です。
「□」のきものと「□」の帯は相性が良い。粋な感じや洋寄りなコーデの際はこちらがオススメ。

この部分だけ憶えておいておけば、礼装コーデにお役立ちかと思います。
(加えて「連続文様」の帯は、帯合わせが比較的簡単です。)

続きまして小物選びですが、ここで選んだ基本色の3色を振り返ってみます。

地色の【水色】、柄色の【白】、挿し色の【朱赤】

選択肢としては2つあります。ひとつは柄色の【白】もうひとつは挿し色の【朱赤】です。
今回は【朱赤】を採用してみましたが、挿し色で小物を選ぶのは一番オーソドックスな選択です。
ただ、【朱赤】だとちょっときつ過ぎるかなと思ったので、少し薄めて橙色でやわらかく。

そんなこんなで、古典の礼装コーデが出来上がりました。
文章は長々としておりますが、至極簡単な選び方ですのでお役立ていただければ幸いです。

お洒落着は、個性的なコーデやテーマのあるコーデ、その人の主張や好みの部分が多いので、
絶対何が正しい・間違っているは、ないと考えています。
ですが、礼装はある程度のルールがございます。
そのなかで、お召いただいた際に心が浮き立つような着姿で、
かつ安心してそのお席に歩を進められるようなご案内ができるように心掛けております。

掲載のコーディネートはどうぞご参考までに…

ご来店の際に、お買い物だけでなくお着物に関するご相談だけでも大歓迎でございますので、
どうぞお気軽にご来店いただければ嬉しく思います。

▼京都店のご来店予約はコチラから…
https://www.kimonoichiba.com/user_data/shop/?shop=kyoto

気が付けば長い長い文章のブログとなってしまいましたが、ここまで長い文章は滅多と書きません…
この度はご容赦くださいませ。
(本当は土曜日に投稿しようと思っていたのですが、校正や追記に時間が掛かってしまいました…)
最後までお読みいただいた方、誠にありがとうございます。

それではよい1週間になりますように…
今週もどうぞよろしくお願いいたします。