コーディネートのお勉強会「一枚のきものを愛でる」…と、お着物と向き合う姿勢。

いかがお過ごしでしょうか。
京都店実店舗 今井でございます。

今日は真っ直ぐに本題に入ってみます。

ここ最近の礼装のお着物事情のご相談のなかで、
「長く使えるきものが一枚欲しい」とのご用命を受けることがございます。

やはりどれでも長くご愛用いただけるものばかりではないのもお着物の特長のひとつ。
前にも少し触れたかと思いますが、お着物の年代層の関わってくる要素は、

 ①袖丈の長さ
 ②色彩
 ③柄の大きさ

が、大きな部分かと思います。

色味が鮮やかで明度が高いと、柄付が大きいと、若向き…みたいな感じです。
昨今は、いろんなお着物がありますので一概にいえない部分はあるのですが、
大まかに説明しますとこんなところです。

一枚のきものを、帯でどんな変化を付けられるか…

帯を変えることによって華やかにもなり、上品にも、お洒落にもなるきものの一例としてごらんくださいませ。
(地色が黒なので一枚あれば万能というわけにはいかないのですが、その辺りはどうぞご容赦くださいませ…)

△白木染匠の京友禅付け下げに、藤原の西陣織袋帯(華やかさを意識した組み合わせ)


△きものは同じ付け下げに、佐竹孝機業店の西陣織袋帯(上品さを意識した組み合わせ)


△きものは同じ付け下げに、大庄弥さかの西陣織袋帯(穏やかさ、洒落感を意識した組み合わせ)

こんな感じでシーンや立ち位置に合わせて、帯で調整するのもひとつの手法。
ご年代に応じて、帯で変化を付けて着姿全体のイメージを変えることもできます。

一枚一枚きものを大切に永くご愛用いただくことは、自身としても心より願うことです。
(ご礼装向きは、特にその想いが強いかも知れません。)
そのためにも、ご提案はもとより、我々もお手入れなどのアフターや、ご着用機会のご提案にも、
もっと考えを巡らせなければ…と思う今日このごろでございました。

掲載のコーディネートはどうぞご参考までに…

加えて…お着物はお召しになられる方があってこそです。


先日、店舗イベントで西陣老舗機「大庄弥さか」さんに、お話を聴かせていただきました。
(本当にお忙しい中、お時間を割いていただきありがとうございました。)
深い造詣をお持ちのご当主のお話は、ひとつひとつがとても勉強になりました。
(下手をしたら自分が一番、その時間を満喫してしまっていたのかも知れません…)
そのなかで、とても自分のなかに響いたのが「帯だけが主張しすぎてもいけない」というお話。

さらりとしたお話だったのですが、自分にはとても深く感じてました…

いろいろと考えてしまいます。

「きものを染めるときに帯のことを考えを巡らせてから染めるのかな…」とか、
(今度、何気な感じで染め屋さんに質問してみます。)
「自分自身は、きものに帯を合わせているのか?帯にきものを合わせているのか?」などなど…
頭のなかでいろんな思いがクルクルと巡ってしまいました。

自身がコーディネートのご提案をする際に大切にしていることは、
「お一人お一人のご雰囲気」(←お顔映りや用途性、好みや考え方、イメージなども含め)
そこに自分の考え方を重ね合わせていきます。

もちろん「このお着物には、この帯」という考え方を否定する訳ではありませんが、
自身は介在するものであり、お着物と皆さまを引き合せる仕事…という考えを改めて、
思い起こさせていただいた先日の店舗イベントでした。

少し暖かくなったかと思えば、寒さ感じる週末の京都。
春の行事ごともこれから多くなってまいります。
季節の変わり目、どうぞお身体ご自愛の上お過ごしくださいませ。

それでは、次週もどうぞよろしくお願いいたします。


1 個のコメント

  • 先日の大庄弥さかさんの見学会ではお世話になりました。本当に、制作される帯の素敵さは勿論、帯匠さんとして、技術と美意識の高みを目指して代々研鑽を重ねて来られた方ならではの金言名言の数々にも圧倒されました。帯は着物と出会い、着手と出会ってこそ完成する事、しかも着手の好みを反映するものだとして、お忙しい中、展示会等に出向かれる折に女性の着姿を観察されているご様子に、感銘いたしました。
    素材も意匠も最高級ながら、さりげない表現。でも、高いボルテージがしっかり凝縮されているので控え目でも引けを取ることのない存在感があります。京都のきれいさびとは かくなるもの?

    礼装は長く着たい、着せたいとの思いは切実です。近年は世の中がカジュアル化する一方ですから、着る機会が少ないのです。お気に入りで上質な程、そう思います。で、私の失敗談を。
    実母が亡くなってすぐに、未婚の兄弟のいる人に嫁ぐ事になりました。留袖を用意するにあたって、母の友人問屋さんを紹介されました。終生の一枚のつもりで良品を選んだまでは良かったのですが、超スリムな当時の体型に忠実に合わせた仕立てだったので、出番の増える50代には、身幅が合わなくなりました。
    そこで幅出しを相談。残念な事に、染めの上から金の砂子を多用していたので身幅出しは不可能でした。
    結局、サイズがピッタリの長女に譲る事にして、きもの市場さんで新調。
    当時は実店舗が無くて、無理を言ってお邪魔して試着させていただいて選びました。あまりに地味にしてもなあと思って選びました。ところが、当節は我が子も含めて晩婚傾向。下手をすると70歳代での着用もありかもしれません。帯のチェンジでどこまで行けるかと密かに心配しています。又、相談させて下さいませ。

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