日本三大祭り「祇園祭」が3年ぶりに開催されました!

実店舗「京都店」 佐野巨明

実店舗「京都店」

佐野巨明

日本三大祭り「祇園祭」が3年ぶりに開催されました!

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都店の佐野でございます。

立秋とは名ばかりで猛暑が続いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?

わたくしはといいますと、3年ぶりに開催された京都の夏の風物詩 祇園祭に行ってきました!

3年ぶりともあって、歩行者天国となった四条通と烏丸通は沢山の人が集まり、活気に満ち溢れていました。

新型コロナウイルスの流行後、様々な当たり前が日常から消えていき、当たり前の大切さを学んだ後なので、京都で生まれ育った身としてはこうして祇園祭が開催されたことに熱く込み上げるものがありまして・・・

毎年当たり前にあったことがなくなる、伝統行事がなくなるかもしれない可能性に触れたことで、わたくしも伝統行事の大切さを再確認できましたので、今回のブログでは、全国のお客様にも日本三大祭りに数えられる祇園祭を知っていただけるよう、祇園祭のご紹介をしたいと思いたって色々と調べてみました!

実際に足を運んで撮影した写真とともに、祇園祭の魅力に触れてみてください★

※祇園祭はとっっっても奥が深く、微に入り細を穿ってご説明しますと、とんでもない長編ブログになってしまいますので、わたくしの独断と偏見によりポイントを絞ってお送りします、ご了承くださいm(_ _)m

 

▼祇園祭とは?

祇園祭は、言わずと知れた京都の観光名所である八坂神社の祭礼で、そのはじまりは1000年以上前にまで遡ります。

貞観(859~877)年中に京の都に疫病が流行したときに、天皇の命により66本の矛を立てて都の男児が祇園社の神輿を神泉苑に送って厄災の除去を祈ったことに由来しているそうです。

平安時代の中頃からは規模も大きくなり、空車・田楽・猿楽なども加わって盛んな賑わいを見せ、現在の祭りの形に近づいていきました。

 

現在の祇園祭は、7月1日の「吉符入(きっぷいり)」に始まり7月31日の「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」まで1ヶ月にわたって開催されます。

1ヶ月の間に行われる神事の中でも最大の見どころは、7月17日と24日に行われる山鉾巡行(やまほこじゅんこう)です。

なんとこの祇園祭の山鉾巡行は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されているのです!!!

 

▼山鉾巡行とは?

山鉾巡行は、コンチキチン♪という祭囃子を鳴り響かせながら、山や鉾が京都市内の中心部をぐるりと巡行する行事で、「動く美術館」と称されるほど、祇園祭の山鉾はそれぞれに大変貴重な美術品や豪華絢爛な装飾が施されていることでも有名です。

これらの山鉾の組み立てには、釘は一本も使用されず、縄がらみの伝統技法が用いられるというのだから驚きですね!

7月17日の前祭(さきまつり)では23基が四条烏丸を出発して市内を練り歩き、7月24日の後祭(あとまつり)では10基が烏丸御池を出発して市内を練り歩きます。前祭では四条通と烏丸通が歩行者天国になり、屋台がずらりと立ち並びます。

 

▼山鉾とは?

そもそも山鉾とは何だろう?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

山鉾とは、神社の祭礼に引かれる山車の一種で、台の上に山などの形をした造物をし、その上に鉾や薙刀(なぎなた)などを立てた物のことをいいます。

祇園祭に登場する山鉾は全部で33基で、それぞれにご神体が祀られ様々なご利益があるといわれており、大きく分けて「山」「鉾」の2種類があります。

こちら(↑)は「鉾」の一つで、鉾頭に疫病邪悪をはらうとされる大長刀をつけていることから「長刀鉾(なぎなたほこ)」と呼ばれます。

「鉾」は、高さ約25メートル、総重量約7~12トンで、車輪付きの胴組の上に、囃子方が乗る床と屋根のついた屋形を据え、屋根の中央に20メートル以上の真木(しんぎ)と呼ばれる鉾が立てられ、てっぺんに鉾頭をつけます。(※例外あり)

曳方(ひきかた)と呼ばれる40名ほどの人々によって曳かれ、曳方のほかにも屋根方(やねかた)・音頭取り(おんどとり)・車方(くるまかた)・囃子方(はやしかた)と呼ばれる人々が携わって巡行されます。

写真(↑)の長刀鉾の大長刀は、元は三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)が娘の病気の回復を祈願して八坂神社に奉納されたものだと伝えられています。

長刀鉾は、御神体人形を安置するのが一般的な現在の山鉾の中で、唯一、生稚児が乗る鉾として知られています。

こちら(↑)も「鉾」の一つで「大船鉾(おおふねほこ)」と呼ばれます。

大船鉾は、応仁の乱以前からの長い歴史を持つ鉾で、神功皇后を御神体に祀り、「凱旋の船鉾」とも呼ばれていたそうです。

船の形をした鉾に人形を乗せた簡素な鉾だったそうですが、江戸時代になると懸装品の装飾や囃子方も加わり、豪華絢爛な鉾へと変わっていきました。この大船鉾は、一般的な鉾とは違って真木が立てられていないのも特徴です。

こちら(↑)は「山」の一つで「鷹山(たかやま)」と呼ばれます。

「山」は、高さ約15メートル、総重量約1.2~1.6トンで、上に真松(枝葉のある松の木)が立てられます。(※例外あり)

山には、曳山(ひきやま)と舁き山(かきやま)の2種類があり、曳山は車輪と屋根がついており鉾と同じような形をしていますが、真松が立てられています。

舁き山は同組の上に舞台がつくられ、そこに様々な趣向の人形が飾られています。昇方(かきかた)と呼ばれる20名ほどの人々によって担がれる形で巡行します。(※実際は補助車輪がついています)

鷹山が京都店のある新町通を巡行するところを間近で見ることができたので、動画も撮ってみました!何度見ても圧巻で、鳥肌が立ちっぱなしでした!全国の皆様にも是非一度間近で見ていただきたいです!!

鷹山は、応仁の乱以前より「鷹つかい山」として巡行していた記録のある山鉾で、ご神体人形は鷹匠・犬飼・樽負の3体からなり、野山で獲物を追う鷹狩りの様子が描かれています。

こちら(↑)も「山」の一つで「南観音山(みなみかんのんやま)」と呼ばれます。

善財童子(ぜんざいどうじ)が文殊菩薩の教えにより観音菩薩を訪ねた場面にちなみ、北観音山の「上がり観音」に対し、南観音山は「下り観音山」とも呼ばれるそうです。

23日の深夜、ご神体の楊柳(ようりゅう)観音像に布を被せて蓮台に縛り付け、激しく振りながら町内を担いで回る南観音山独特の儀式「あばれ観音」が行われます。

 

いかがでしたでしょうか?京都にお住まいの皆様は、すでにご存じのことばかりでしたでしょうか?

全国のお客様には、祇園祭がどんなものか理解を深めていただけましたでしょうか?

わたくし自身、今回調べてみて初めて知ることも沢山あって、とっても理解が深まりました!やっぱり日本の伝統行事は様々な歴史や想いが込められていて、奥が深いですね。後世まで大切に残していきたいものです。

それではまた次回の更新をお楽しみに。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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【京都店主任】 出張族から一転し、実店舗へ赴任しました!出張手当はもらえなくなったけど、今日も元気に着物という広大な宇宙を旅します。
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