ラオス織物工房めぐりの旅 ~後編~

野瀬 達朗

商品仕入

野瀬達朗

ラオス織物工房めぐりの旅 ~後編~

いつも京都きもの市場のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

京都きもの市場の商品仕入担当、野瀬でございます。

一気に春がやって来たようで、毎日暖かく快晴つづきですね!私は予定のない休日でも、何かと理由をつけて外出してばかりです。皆様はいかがお過ごしですか?

お待たせいたしました!今回はラオス旅行記の最終回をお送りします!本ブログをご覧いただいている皆様に、少しでもラオス旅の気分を味わっていただければ幸いです。

 

6日目は、ラオス北部の街ウドサムイから、再び首都ビエンチャンに戻り、ビエンチャン市内の織物工房に行ってきました。

1軒目に訪れた工房は絣と花織の併用を得意としており、美しい織物の数々に目を奪われました。

ラオスらしい鮮やかな色彩と模様が異国情緒あふれる素敵な織物です。

鮮やかな色使いの中にも、黒やくすみカラーを多く用いることで、全体がぐっと引き締まり、単にカラフルなだけでなく落ち着いた印象も与えてくれますね。

花織に絣が加わることで作品により力強さを感じることができ、今回は迷わずこちらを発注させていただきました。

工房の方々も熱心に相談に乗ってくださり、商品として皆様にご紹介できる日が待ち遠しいです!

さて、続いて訪ねた工房には思いもよらない出会いが待ち受けていました・・・なんと3年前まで当社のスタジオに勤務されていたサイサニット・ウサバディさんです!

こちらの工房はウサバディさんのご親戚の方々が営む工房ということですが、事前に知る由もなく訪ねて、今回3年ぶりの再会を果たしました!

「世間は狭い」とはよく言いますが、まさか海を渡ってラオスの地で呟くことになるとは思ってもいませんでした。

ウサバディさんは、当社での勤務経験から着物や帯の知識をもっていらっしゃるだけでなく、当然日本語も流暢なので、日本で好まれる着物の色合いなどを理解していただけて、発注相談が大変はかどりました。

見せていただいたこちら(↑)の織物は、先ほど訪ねた工房の織物とは全く異なる雰囲気で、透明感のあるオーガンサー生地にシンプルなデザインが素敵でした。

今回はこちらの生地を用いた帯と厚みのある花織の生地の帯を発注しました。出来上がりを楽しみにお待ちください!

 

さて、最終日に訪れたのは、以前大好評をいただき、すぐに完売してしまったオーガンサー生地を手掛ける工房さんです。

こちらでは、前編でご紹介したラオス女性の伝統衣装シンを制作されていますが、シンだけでなく多様なニーズに応える生地制作に注力されているそうです。

ラオ・テキスタイルらしさも残しつつ、落ち着いた配色のデザインが多いため、柄の配置などを少し工夫するだけで帯に出来そうな作品が多く、アイディアが次々と沸いてきます。

前回大好評だったオーガンサー生地の帯に加えて、いくつか発注してまいりましたので、こちらも楽しみにお待ちください!

さて、こちらの工房さんでは花織を織っているところを見せていただきました。

大変手間のかかる機(はた)ですが、この機があることでより繊細で豊かな色合いの生地を織ることができるそうです。

ブログの仕様により画質が落ちてしまうので少し粗いですが、貴重な映像ですので是非ご覧ください!

 

今回のラオス滞在で、ラオ・テキスタイルの力強い魅力やポテンシャルの高さを改めて再認識することができました。

同時に、数々の工房さんに足を運んでみて、技術継承のための若手育成ができていないことが課題であることが分かりました。日本でもラオスでも、問題は同じのようですね・・・

ラオスの日本大使が「ラオスの方々は素晴らしい手織りの技術を持っていることを、逆にラオスの方々に伝えてほしい」と、おっしゃっていました。

この素晴らしい伝統技術を途絶えさせないためにも、私たちにできることといえば、ラオ・テキスタイルの魅力を皆様にお届けすることです。

今回のブログを通して、皆様に少しでもラオスの豊かな手織り文化を知っていただけたら嬉しい限りです。

今回、3部構成の長編ブログにお付き合いくださった皆様、誠にありがとうございました!

ご紹介したラオスの商品については、準備が整いましたらご案内いたしますので、ご興味のある方は引き続き本ブログや京都きもの市場オンラインストアをご確認くださいませ。

京都きもの市場
野瀬達朗

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